こんにちは。アニメ大好きyosshisshi ( よしっし )です。
今回は秩父アニメ3部作の第1作目 『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』をレビュー紹介します。
秩父3部作のうち、最初に見たのは 『 空の青さを知る人よ 』でした。その時は3部作という事を知らずに。たまたまプライベートで三峰神社に参拝したことで、秩父3部作を知りました。
三峰神社の三ツ鳥居、立派です。
あらすじ
小学校時代、仲の良かった6人組 ( じんたん、めんま、あなる、ゆきあつ、つるこ、ぽっぽ ) は、じんたんをリーダーに「超平和バスターズ」という名前のグループを結成し山中の秘密基地に集まって遊ぶ間柄だった。
しかし、めんまの事故死をきっかけに超平和バスターズは決別。中学を卒業し疎遠となって、それぞれの生活を送っていた。
高校受験に失敗し、底辺高校に入学したじんたんは引きこもりの日々を過ごしていた。そんなじんたんのもとにある日突然、死んだはずのめんまが成長した姿で現れる。
めんまはじんたん以外の人には見えず、最初は自分のストレスで幻覚だと思っていたが、「自分のお願いを叶えて欲しい」と訴えるめんまを無視できなくなる。
やがて疎遠だった超平和バスターズの面々が集まり、めんまの願いを叶える事がめんまの成仏につながると考えて、彼らはめんまの願いを叶えようとするが・・・。
登場人物
超平和バスターズ
じんたん ( 宿海 仁太 / やどみ じんた CV:入野 自由 )本作の主人公。
仲の良い6人で結成した超平和バスターズのリーダー。
幼いある日、あなるからめんまの事を好きなのかとみんなの前で尋ねられ、照れから心にもない酷いことを言ってしまう。しかしその日の内にめんまが事故死してしまう。また、病気がちの母親や高校受験の失敗などもあり引きこもりとなり、周りの人とのコミュニケーションを避けるようになる。自分の前に現れためんまの願いを叶えようと行動するうちに、引きこもり生活から脱却していく。
子供の頃から仲間の危機を放っておけない性格であり、疎遠になったメンバーたちの危機でも自ら助けるような行動をとる。めんまが自分にしか見えない事で他のメンバーともぶつかるが、これらを通じて、超平和バスターズのチームがめんまの成仏という目的で団結していく。
変わったデザインのTシャツを好んで着用しているが、作中ではそれについて誰もふれることはない。
めんま ( 本間 芽衣子 / ほんま めいこ CV:茅野 愛衣 )本作のヒロイン。
ロシア人と日本人のハーフである母から銀髪碧眼を受け継いだクォーター。
じんたん達と出会う前は容姿により学校で疎外されるも、じんたんから仲間に誘われ、超平和バスターズとして仲良く集まるようになる。
天真爛漫な性格でメンバーのマスコット的存在。じんたんやゆきあつは好意を寄せる一方で、あなるやつるこからは、特別な容姿と皆から愛される性格から自分では敵わないというコンプレックスを密かに抱かれていた。秘密基地からじんたんを追いかけた途中で転落事故により亡くなってしまう。
めんまの死をきっかけに、超平和バスターズは疎遠となってしまう。じんたんが高校に進学した年の夏に、突然成長した姿でじんたんの前に現れる。じんたん以外の人間の目には映らず、声も聞こえないが、食事をするなど多少の物理的干渉力を持ち、じんたんに対しては生きている人間と遜色なく接することができる。容姿は成長して現れたものの、記憶は死亡したときのままであり、じんたんたちと比べその言動には幼さが前面に出ている。ラーメンの卵はかき玉が好物。
あなる ( 安城 鳴子 / あんじょう なるこ CV:戸松 遥 ) じんたんと同じ市立緑ヶ丘高校に在学。
高校進学から派手な見た目となるが、男性に免疫がなく子供の頃からのゲーム好きや几帳面な性格はそのまま。幼い頃はクセっ毛と黒縁眼鏡でめんまとは正反対の自分にコンプレックスを抱いていた。自分の発言がきっかけでめんまが亡くなってしまったと悔やんでいる。めんまが亡くなって以来、じんたんとの距離が遠くなるが、幼い頃からじんたんに好意を抱いており、バイト先が一緒になって距離が縮まった事で、じんたんに想いを伝える。
ゆきあつ ( 松雪 集 / まつゆき あつむ CV:櫻井 孝宏 ) 仁太の第1志望だった王大付属高校に通っている。
高校の成績優秀で女子からもモテる。普段は冷静を装っているが、感情的で負けず嫌い。幼い頃からめんまに好意をよせながらも、じんたんに対抗心を持っていた。現在のじんたんを馬鹿にしていながらも、自身もめんまの事が忘れられず過去に囚われている事を自覚している。過去にめんまに告白しており、それがきっかけでめんまが亡くなってしまったと罪の意識に苛まれ、めんまそっくりの女装をして秘密基地の周りを徘徊する異様な行動をとる。しかしバスターズの全員に女装を目撃され、つるこの機転により過去の囚われから脱却する機会となる。
めんまを成仏させるために願いを叶える事に協力するが、一人だけめんまが見えるじんたんに嫉妬をするようになる。片想いが報われない同じ境遇のあなるに同類意識を持っている。
つるこ ( 鶴見 知利子 / つるみ ちりこ CV:早見 沙織 ) ゆきあつと同じ高校に通っている。
ゆきあつに追いつくために学業に励み、学年4位の成績を修めている。趣味は読書。他人を気にしないそぶりだが、内心ではかなり気にかけている。洞察力があり、いち早くゆきあつの異変に気づいてじんたんに協力を求めた。ゆきあつとは一緒に行動することが多く、学校ではゆきあつに好意を寄せる女子たちとの関係はあまりよくない。幼いころから密かにゆきあつを想い続けているが、ゆきあつには気づいてもらえなかった。
ぽっぽ ( 久川 鉄道 / ひさかわ てつどう CV:近藤孝行 ) 高校に進学せずアルバイトで稼いだ資金で世界中を放浪しており、日本では超平和バスターズの秘密基地だった家屋で暮らしている。
大柄な体型で様々な柄のアロハシャツを着用している。幼い頃は小さくみそっかすだったが、じんたん達と出会って弟分となった。無邪気で人懐っこい性格。『じんたんつえ~ 』とよく感嘆する。当初からめんまが見えるというじんたんを信じて何かとめんまと交流を図ろうとする。
その他
宿海 篤( やどみ あつし CV:小形 満 )じんたんの父親。
引きこもり生活を送るじんたんに理解を示しているような態度で、よくじんたんを『かわいい~』と茶化す。放任のように見えるがかなりじんたんの事を把握しており、亡くなった妻の仏壇にじんたんのことを報告している。いつもニット帽を被っている。
宿海 塔子 ( やどみ とうこ CV:大原さやか ) じんたんの母親で故人。
生前、自分が闘病生活に入ってから、幼い仁太が泣くことをや感情を表に出すことを我慢するようになったことを気に病んでおり、めんまにあるお願いをする。レーズン入りの蒸しパン(ホットケーキミックスを使って作る)が得意で、じんたん達によく振る舞っていた。
本間 イレーヌ(ほんま イレーヌ CV:緒乃 冬華 ) めんまの母親。
日本人とロシア人とのハーフ。めんまの死を引きずっており、彼女の好物だったカレーを作った日は、必ず仏壇に供えていた。めんまのことを尋ねてきたじんたん達に当初は普通に接していたが、内心では彼らだけが成長していく姿が辛く、理不尽な憎しみを抱いていた。
本間 聡志 ( ほんま さとし CV: 水原薫 )めんまの弟。
めんまから「さー君」と呼ばれている。めんまの死を未だに引きずっているイレーヌと、向き合おうとしない学の間に育ち、スレた態度の内側に寂しさを隠している。
本間 学 ( ほんま まなぶ CV:保村真)めんまの父親。
妻のイレーヌはめんまの死に囚われ、自身はめんまの死から目を逸らそうとした。
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ストーリーと結末<ネタバレ注意>
めんまと超平和バスターズ
高校の夏休み最後の日、学校に行っていないじんたんの家にあなるが夏休みの宿題を届けにやってきた。宿題を届けてくれたあなるにお礼をしようと、めんまに言われて外に出たじんたんだったが、途中でゆきあつとつること遭遇する。二人はじんたんが受験に失敗した進学校に通っており、バスターズが解散した後も二人で一緒に行動していた。ゆきあつとつるこにめんまのことを言おうとするが、ゆきあつがめんまの名前を聞くと人が変わったようになる。さらに学校に行っていないじんたんはゆきあつに見下されて、じんたんはその場を逃げ出してしまう。じんたんはめんまにも「お前といると嫌なこととか思い出す」と辛く当たってしまう。それを聞いためんまはじんたんの前から姿を消してしまう。
じんたんは幼い時の事を思い出していた。6人で結成した超平和バスターズはみんなあだなでよびあい楽しく過ごしていた。そんなある日、あなるがじんたんはめんまのことが好きなんでしょとじんたんに聞くと、じんたんは照れ隠しでひどい事をいってしまう。それを聞いためんまは困ったように笑っただけだった。予想外のめんまの様子にじんたんはその場から逃げ出してしまう。その日のうちにめんまが川に溺れて死んでしまい、じんたんはめんまにあやまる事が永遠に出来なくなってしまった。
あの日のことを思い出したじんたんは、めんまに謝れる日が来ることをずっと願っていたことに気づき、超平和バスターズで拠点にして遊んでいた秘密基地へめんまを探しに向かう。そこには成長したぽっぽが住んでいた。
ぽっぽはめんまのことを信じ、めんまの願いを叶えることに協力する。じんたんとぽっぽはめんまが「のけもん」というゲームでレアモンスターを欲しがっていたことを思い出し、ゲームが好きなあなるに協力を求めた。あなるの協力の甲斐あってレアモンスターをゲットするがめんまは消えなかった。これを機にあなるもめんまの願いを叶えることに協力することになった。
ぽっぽは秘密基地でバーベキューを企画する。ぽっぽがゆきあつとつるこにも声をかけて、じんたん、あなる、ゆきあつ、つるこ、ぽっぽの5人が集まった。そこでぽっぽとゆきあつが秘密基地の近くでめんまを見たと言う話になったが、めんまにも覚えがなくこの時点ではどういう事かわからずじまいであった。5人が揃ったことでめんまがうれしいと言ったことをじんたんがみんなに伝えるも、ゆきあつはいつまでもめんまに囚われていると言って帰ってしまう。翌日の夜、ゆきあつ以外のメンバーが秘密基地に集まっていた。ぽっぽとめんまが「めんまを見た」と言う。じんたん達はめんまと共にめんまを探しに行くが、白いワンピース姿が一瞬見えて走り去ってしまった。つるこが「ゆきあつ!」と叫ぶ。その言葉に動揺したのか、ワンピースの人物は逃げようとして足を滑らせてしまう。その正体はゆきあつだった。
ゆきあつは、めんまが死んだのは自分のせいだと語りだす。それを聞いためんまが「ぱっちんありがとう。ごめんね」と言っていることを伝えると、ゆきあつは何かを思い出しその場を立ち去った。ゆきあつは自分がめんまのことを忘れられないから、じんたんに強くあたっていた。めんまが亡くなった日、ゆきあつはじんたんを追いかけるめんまを止め、めんまに告白をして花のついた髪留めをあげようとした。そのため、ゆきあつは自分の告白でめんまが死んでしまったとずっと思っていた。
めんまのお願いとは?
ゆきあつの女装を知っても、つるこはゆきあつに普段どおりに接していた。ゆきあつはつるこの機転で踏み止まれた事に感謝を述べる。2人が電車を待っている時、大きな荷物を持ったあなると、あなるのクラスメイトの春菜と亜紀を見かけた。春菜と亜紀は最近付き合いが悪くなったあなるに対して、カラオケ合コンにくるように仕向けていた。あなるは断りきれずにカラオケ合コンに来てしまう。浮かないあなるに対して社会人の男はあなると抜け出すと言い、カラオケを出る。男はあなるをラブホテルに誘って、泣きながら抵抗するあなるを男は強引に連れて行こうとする。そこにゆきあつが通りかかり、機転を効かせて近くでじんたん達と遊んでいるから混ざらないかと声をかけ、あなるの危機を救った。
じんたんはめんまを成仏させるために、学校に行って授業を受けることにした。学校にいってなかった自分が登校したら、クラスの話題になると心構えをしていたじんたんだったが、心配をよそにクラスはあなるが援交でラブラブホテルに行ったという話題で持ちきりであった。あなるがラブホテルに連れ込まれそうになった現場に、偶然PTA関係者がいて目撃し援交をしていると誤解した様子であった。久々に登校した自分の事は誰も眼中になく、あなるの噂話でそわそわしているクラス全員に向かって『久々に登校した珍しい俺を見ろ、こいつはどう見てもラブホ顔だ。ラブホくらい珍しくない。こいつは援交なんて絶対にやってない。』と言い放ち、じんたんはあなるをつれて学校を後にした。やってないとはいえ、親ともケンカしてあなるはしばらく秘密基地に住むことに。
ロケット花火をつくる
じんたん、あなる、ぽっぽはめんまのお願いを叶えるヒントを得るために、めんまの家に行くことになった。めんまの家では母のイレーヌがじんたん達を快く迎え、さらに生前めんまが書いていた日記を貸してくれた。めんまの日記を見たじんたん達は、昔ロケット花火を作ろうと盛り上がった事を思い出した。ゆきあつ、つるこも協力してくれる事になり、じんたんの父親の知り合いである花火職人にお願いする。花火を作るには20万円の費用がかかるため、じんたんは昼はあなるのバイト先のゲームショップ、夜はぽっぽの紹介で工事現場でアルバイトを始める。資金か貯まってきたある日、最初は快く引き受けてくれた花火職人が、急に花火は作れないと言い出す。どうやら、町の役員であるめんまの父親が花火職人に花火作りをやめるように圧力をかけているようだった。5人はめんまの父親を説得しようとめんまの家に行ったが、花火作りを反対しているのは、めんまの母のイレーヌだった。生きていたら、本来は同じように成長しているはずの娘を残して、娘をダシに楽しく遊んでるだけだと。じんたん以外の4人は花火作りをやめようと言い出すが、唯一めんまが見えるじんたんは、アルバイトを続けて自分一人でも花火を作ろうとしていた。ハードなアルバイト続きで、ゲームショップのバイト中にじんたんは倒れてしまう。あなるにもうやめようと言われ、じんたんを好きだったことを伝えられる。じんたんは答えずに仕事に戻ろうとするとめんまが好きなら、めんまの願いを叶えたらめんまが居なくなる。それでいいのかとあなるに言われる。バイトから帰宅したじんたんはめんまと話しているうちに、気がついたら涙を流していた。
じんたんがハードなバイトを続けているとき、つるこ、ゆきあつの家に無言電話がかかってくる。無言電話の発信元はじんたんの家だった。秘密基地に集まったゆきあつはじんたんに電話の事を問いただすが、その時間はアルバイトをしており、電話をかけるとしたらめんましかいないと言う。他の3人も居るはずのないめんまの幽霊ごっこはやめろというが、その時、めんまが自分で日記に今日の出来事を書いた。間違いなくめんまの筆跡であり、みんなめんまが本当に居るということを信じるほかなかった。
5人はめんまを成仏させるために、めんまの両親を説得し花火作りを再開することになった。みんなそれぞれの過去と向き合い、ようやく花火が完成した。
花火を上げる前に、決起大会をしようとぽっぽが言い出しみんなで秘密基地に集まることになった。そこでゆきあつが、あの日の事を再現しようと言い出す。あなるがじんたんにめんまの事が好きか尋ねると、じんたんは小声で『好きだ』と答えて逃げだそうとするが、ぽっぽに逃げるなと止められる。じんたんがめんまを見るとめんまの頬を涙がつたっていた。その日の帰り道、じんたんはめんまにずっとここにいればいいと言うが、めんまは成仏しますよと答えた。めんまの脳裏にはじんたんのお母さんと生まれ変わりの話をした記憶がよぎっていた。
いよいよロケット花火を打ち上げる日がやってきた。じんたんはめんまを成仏させるかどうかで悩んでいた。とうとう打ち上げ花火が上がり、これでめんまが成仏すると思われたがめんまは成仏していなかった。じんたんも迷いがあったが、他の4人も本心はめんまの為ではなく自分の為だった事を明かした。ゆきあつはじんたんにしか見えないならば、成仏させたい。あなるはじんたんの事が好き。つるこはゆきあつがめんまの事を好きで、めんまが居なくなっても、ゆきあつの理解者としてあなるがいるため、じんたんとあなるがくっつけば、自分がゆきあつの隣に居れる。ぽっぽはめんまの事故現場に居合わせたが、幼いぽっぽはパニックでそのまま何もできなかった。それぞれが抱えていた想いを初めて素直に語ったのであった。
そして結末へ
めんまをちゃんと成仏させようと5人が団結した。わだかまりも溶けてそれぞれを昔のようにあだ名で呼びあい、超平和バスターズを再結成する。めんまを入れて6人でちゃんと話合ってめんまを成仏させることになった。じんたんはめんまを呼んでくると自宅に戻ると、そこには床に倒れためんまがいた。めんまはすでにお願いが叶ったことを思い出したという。めんまはじんたんのお母さんとある約束をしていた。それはじんたんを泣かせること。母の入院以来、じんたんは感情を表に出さなくなってしまった。母親からすると自分がじんたんに我慢させているのではないかと思いもっと甘えたり泣いたりしてほしかったと。そしてこの約束は、あなるからめんまの願いを叶えたらめんまが居なくなると言われた日に既に叶えられていた。弱っているめんまを連れて秘密基地に急ぐじんたん。秘密基地に着いた時には、じんたんにもめんまが見えなくなっていた。動揺するじんたんにかくれんぼだよ~と言うめんま。5人はめんまを探しにいくが、めんまは秘密基地の中で弱っていく身体を必死に動かし、日記に何かを書いていく。夜が明けそうになったころ、どこにもいないめんまを探していた5人だが、あなるが木の根元に何かを見つけた。それはみんなそれぞれに宛てた手紙だった。めんまの想いをそれぞれが受け取って、もう消えそうなめんまだったが、『かくれんぼなんだからまだ終わらない。もういいかい 』とじんたんが叫ぶ。それにめんまが『もういいよ~』と答える。するとその声はじんたんだけでなく、みんなにも聞こえたのだった。さらに、めんまの姿もみんなに見えるようになっていた。最後にめんまを送るためにみんなで『めんま、見つけた~』と叫ぶ。するとめんまは『見つかっちゃった』と嬉しそうに泣きながらそして微笑んで消えていくのだった。
エピローグ
じんたんは引きこもりから脱却し登校するようになった。あなるや他のクラスメイトともにいくらか距離が縮まったようだ。ぽっぽはバイトしながら高校受験を目指して勉強に励んでいた。ゆきあつとつるこはこれまで通りだか、つるこの頭には小さな花の飾りがついた髪留めがあった。じんたんは秘密基地で、幼いとき柱に刻んだ超平和バスターズの文字に続きが彫られていることに気づく。『超平和バスターズはずっとなかよし』
アニメレビュー
あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。まずはラストですが無事にめんまは成仏できたものの、やっぱり大好きなめんまとの別れは切ないです。ただ、最後にじんたん以外のみんなもめんまと直接お互いを認識し言葉を交わせたのが良かったかな。ちゃんとお別れの区切りになりますよね。ラストのめんまがみんなとお別れをするシーンは、何度見ても涙がじわっときます。結果的にはめんまとの別れがあって、5人がそれぞれ過去から脱却、前を向いて成長できた事になります。これにより、疎遠だった超平和バスターズも再結成されて、めんまの想い『ずっとなかよし』も叶うわけです。
それぞれが囚われた過去から脱却していく様子も、ストーリーと絡みあって伏線になってます。各キャラクターの心情変化もよく描写されて共感するところがたくさんあります。
ぽっぽはめんまの事をすんなり信じました。普通は亡くなった人が見えるという話だけでも信じませんが、久々にあった幼馴染みからの発言だと尚更です。それをぽっぽは何の疑いなく信じるわけです。ぽっぽは他のメンバーと違い高校にはいかずに、バイト資金で世界各地を回っているので幽霊の話題もある程度日常に近いのかなぁ~と思って見てました。ラスト間際で明かされますが、ぽっぽは目の前でめんまが亡くなっていく姿を幼いながらにみているわけです。めんまの幽霊が見えるというじんたんの言葉にはよっぽど説得力があったに違いありません。
ゆきあつはめんまが亡くなった日に告白をしていました。告白の事実は当事者のゆきあつとめんましか知りえません。告白によってめんまが動揺して事故に・・・とゆきあつが思い込んでも不思議はありませんね。しかもそれをずっと心に抱えたまま。進学高でかつ成績優秀のゆきあつの重圧はすさまじいものだったと想います。それがめんまそっくりの女装という形で表に出てきましたが、そうとう歪んでいます。結果的にバスターズ全員に女装を見られ、ゆきあつ自身がめんまに囚われている事をはっきりと(他のメンバーもゆきあつの苦しさを)認識できたおかげで取り留めました。しかし最期までじんたんにしかめんまが見えない事が、新たなゆきあつのストレスになっていきます。ゆきあつ切ない。なんとか過去から脱却したとはいえめんまを好きな気持ちは変っていません。それでも最後はじんたんを昔のようにバスターズのリーダーとして認めてなんて偉いんだっ。ゆきあつ。
つるこは冷静で計算高いイメージが強いキャラクターです。つるこはゆきあつが好き。ゆきあつはめんまが好き。自分はめんまにはなれない(というか敵わないと思い込んでいる)。あなるは昔からゆきあつの理解者でつるこはこのポジションが欲しかった。めんまが亡くなった現在、ゆきあつの隣にいるために並々ならぬ努力を課していた。あなるがじんたんとくっつけば現在の自分のポジションが保たれる。つるこのこの考えは確かに正しいです。自分のなりたいように考え・努力の結果でそれを実現しています。ただ、つるこも本心を伝えずに自然体を装ってまでゆきあつの隣に居続ける努力は到底できませんね。認められれば努力を継続できますが、つるこはあくまでも自然体を装ってます。よほど想いが強い事がわかるシーンです。そんなつるこですが花火打ち上げの当日に髪をばっさり・・・。前日、ゆきあつがあなるに告白しているところを目撃してしまいました。ゆきあつも本気の告白ではないですが、それでも自分ではなくあなるを選んだ事が、つるこにはわかっていながらもショックだったと思います。エピローグでは花飾りの髪留めをしていました。
あなるは昔からじんたんの事が好きなのに、想いを伝える事が出来ません。高校が一緒になるも、じんたんの引きこもりもあり関係が疎遠のままでした。めんまが現れてから、じんたんとの距離がぐっと縮まります。ここからのあなるの心情変化がキュンとします。派手な見た目ですが乙女なギャップが魅力的なキャラクターです。バイト先でじんたんに想いをぶつけるシーンはあなるの苦しみがよくわかるシーンです。あの日、じんたんにめんまの事をどう思うか?と聞かなければ、めんまは亡くなってないという苦しみに囚われ、さらにじんたんのめんまに対する想いも知ってしまいました。このシーンはあの花の本質をついた内容です。『めんまの願いを叶えたら、めんまはいなくなってしまう。それでもいいのか?』とあなるはじんたんに問いただすがじんたんは拳を握りしめて無言で立ち去ります。大好きな人が側にいるこの瞬間がいつまでも続けばいいと誰でも願うでしょう。しかし、この状態は明らかに良くはありません。それが解っているからじんたんも迷いながらもめんまを成仏させるという選択をしたわけです。
タイトルである【あの日みた花の名前を僕たちはまだ知らない】。これは花=めんまであると思います。めんまは生まれ変わりのために成仏を望みます。生まれ変わりでまたみんなと出会えるから。いつかどこかで生まれ変わるとしたら、いずれ出会うその日まで生まれ変わっためんまの名前を知りませんからね。ラストでじんたんの想いがナレーションで挿入されています。『俺たちは大人になっていく。どんどん通り過ぎる季節に道端に咲く花も移り変わっていく。あの季節に咲いた花はなんて名前だったんだろう?。小さく揺れて触れればちくりと痛くて、鼻を近づければわずかに青い日向の香りがした。次第にあの香りは薄れていく。俺たちは大人になっていく。だけどあの花はきっとどこかに咲き続けている。そうだ 俺たちはいつまでも あの花の願いを 叶え続けていく』
みんな同じところで立ち止まっていられずに、少しずつ大人になっていきます。めんまのことは忘れないけれども、小さな記憶はやはりどんどん薄くなっていきます。どこかに咲き続けているという表現は、めんまの生まれ変わりを肯定していることと、決して忘れない思い出の2つの意味があるのではと思います。あの花の願いは当然【超平和バスターズはずっとなかよし】です。時間がながれて大人になり、環境が変わっても超平和バスターズはずっとなかよしでいてほしいというめんまの想いです。
あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。幼い少年少女たちがめんまの死という悲しい出来事をちゃんと乗り越えて、成長し再び絆をつないでいくちょっと切ないけど感動する物語です。